粘度

そのままでは口に入れないでください。

嚥下障害、という言葉があります。喉の筋肉に力が入らないなどの理由で、上手に飲み込めなくなることです。人間の場合、口から入った空気は気管、飲食物は食道へと別れていくのですが、嚥下障害が起きると飲食物、特に飲み物がどんどん気管の方に流れていってしまい肺に入って炎症を起こし、お年寄りの場合簡単に死に至ります。


恐い。


しかし、お年寄りだって水分を摂らないわけにはいきません。寝ていれば汗をかきます。水分を補給しないとこれまた死んでしまいます。


恐い。


で、便利なものがあるのですね。その名も


トロメリン


またの名を


トロミアップ


粘度ゼロの液体に混ぜて、とろみを出すための粉*1、というわけです。これは簡単に水に溶けるので、お茶の時間になると介護士さんたちは

  • 嚥下障害のない人には普通にお茶を出し
  • 嚥下障害のある人には程度に応じてとろみをプラス

しているわけです。で、私もとろみをつけた飲み物をお年寄りに差し上げたわけですが、嚥下障害のある方は手が利かない場合が多いので、一口ずつ口に入れて差し上げます。


喉が渇いているのでしょう、お年寄りは次々に口を開けてどんどんとろみ物体を摂取されるのですが、そこで疑問が。


これは飲み物なのか?


私はこの固い重湯みたいなものをさじですくって飲んで*2果たして喉の渇きがいやされるのだろうか?そこで、実験をしてみました。


<実験概要>

  • 実習後、何も飲まずにきっちょううどんで「天かうどん」を食べ喉を渇かせる
  • COOPみやざき赤江店で「鉄観音入りCOOP烏龍茶」158円/2リットルを購入
  • ミドリ薬品赤江店で「WAKODOとろみ食の素」470円/20包を購入
  • 自宅に戻り、コップ一杯の「鉄観音入りCOOP烏龍茶」に適宜「WAKODOとろみ食の素」を加えて混ぜる
  • 固まったら*3「100円ショップダイソー」で購入した5本100円のスプーンで頂く


<実験結果>

これは飲み物ではない


水分補給にはなるのでしょうが、喉が渇きます。手軽にウーロンゼリーを作りたい方にはおすすめ。

*1:原材料:デキストリン、植物油、増粘多糖類

*2:いや、食べて

*3:このとろみの素はすぐには固まらないので、入れすぎに注意