疣贅

ゆうぜい、と読みます。イボのこと。


組織学実習(骨組織・筋組織)のスライドを1枚残して時間切れ。丁寧にやるのもなあ、などと軽く思いつつ、いや、ここまで来たら後には引けぬと決心を固め、同級生数人と学校近くの定食屋でチキン南蛮定食を平らげたあと、上に書いたように、21:00に恐る恐る皮膚科外来に行ってみた*1。今晩ハーと声をかけたら、外来医長さんがのっそり出てきて、やりますか、という。はあ、と答えてついて行くと、


「ま、ウィルス性のイボで*2すよね、明らかに」


と言われたので、また、はあと言っておく。継続的な治療が必要なので、大学病院に来るか民間の*3皮膚科医院に行くかどっちにする?と言われたので、よくわかりませんと言うと、そうか、じゃあ始めましょうということになり、医長さんはおもむろに液体窒素のマホー瓶を取り出した。


ああ、あれでシューッとするのだな…と思っていると、「民間の」皮膚科ではお目にかからなかったニューアイテム登場。10cm径ぐらいのプラスチック盤が四カ所丸くへこんでおり、そのへこみの先に穴が空いている。医長さんは盤を私の顔に当て*4、イボをへこみの先の穴に差し込んだ。なるほど、これでまわりに液体窒素が飛び散らないようにするわけだ。さすが大学病院。


行きますよ、ハイの声とともに液体窒素噴射。ところが、


やっぱり飛び散ってるよ!液窒!
痛いよ!そんなに長くやるの?


ヒーヒー言ってたら、(多分)研修医(と思われる人)がやってきて、見学している。


研「HPV*5ですか?」
医「ああ」
研「もしかして…」
医「そう、verruca vulgaris
研「はあー、こんなに盛り上がっちゃうんですねー」
医「まあ、時期や部位にもよるけどね」


研修の役に立ったようで、良かった良かった。こっちはそれどころじゃないよ。右目から涙が出てきて止まらない。で、3カ所やって、ああ、終わった、と思ったら医長さんの声。


あと2セット、がんばろう


ひえー*6、あと2セット?ごごご合計、3セット?「民間の」皮膚科では、ここよりも短い1セットで終わりだったのに?さすが大学病院。何が起きても不思議ではない*7


最後にはもう抵抗する気力も残っておらず、おとなしく吹きかけられていました。息を吐くと痛みは軽くなるよ。


終わってもしばらくジンジンしてましたが、家に帰ってきてやっと一段落。鏡を見たら、白かったイボのところが褐色になってました。早く落ちないかしら。

*1:これで正解:こんなに痛くちゃ、施術後には何も出来ません…ましてや組織学実習など、とてもとても

*2:正式名称:尋常性疣贅 verruca vulgaris

*3:そう、彼は確かにそういった

*4:イボは全部で3カ所:左鼻脇(メガネの鼻押さえが当たるところ)・右小鼻・右鼻腔内外側部

*5:human papilloma virus:ヒト乳頭腫ウィルス

*6:もしくは、「冷えー」

*7:もっともこの場合、私があげるべきなのは「嬉しい悲鳴」