傷寒
温暖湿潤の南国宮崎から、春一番が吹いたとはいえまだまだ寒い東京へと帰ってきたらものの見事に寒邪と風邪にしてやられたので、漢方治療を試みる。
<一日目:3月10日>
まず異変が出たのは喉。喉がちりちりして、頸と肩がパチパチに張っている。桔梗湯を煎じて試してみると喉の痛みは取れたものの頸と肩の凝りは取れず。桔梗湯の服用を続ける。
<二日目:3月11日>
この日は少し熱っぽいというか、上気気味であったので桔梗湯は朝だけにして、積極的に動くことにする。喉の痛みはすこし強くなったようであったので、我が家で愛用しているシナリー化粧品の香水Parfum de monde Le matin frais (Par bleu)をマスクに吹きかけてしばし吸引、喉の殺菌を試みる。12年来の友人*1の結婚式に出かけ、ひとしきり騒いで夜中に帰宅すると喉の痛みは治まりつつあるが右半身の頭から肩までが凝りに凝っている。桔梗湯を飲んで就寝。
<三日目:3月12日>
汗をかかない、肩が凝っている、やや浮くような熱っぽさを覚えて目を覚ます。ここで傷寒論に基づき、桔梗湯に加えて葛根湯の服用を開始。ツムラのエキス製剤を白湯に溶かして服用し、しばらく寝ると昼。頭・頸・肩が軽くなっている。昼食をすませて2時間後に再度桔梗湯と葛根湯を服用、先ほど目を覚ますと喉の痛みと肩こり、浮くような熱っぽさはすっかり消えていた。今晩寝る前に再度桔梗湯と葛根湯を試して停止する予定。
野口晴哉『風邪の効用』によれば、風邪とは平素の生活で次第にたまった体の歪みを強制するための自然の動きである。熱が出たり関節や筋肉が痛んだりするのは、その部分が自然治癒している時の抗病反応であるからむやみやたらに止めてはいけない、ということらしい。さらに興味深いのは、
熱が出ている時には動いてもよいが熱が下がったらしばらく休む
という野口氏の主張。図らずも今回は熱が出ている二日目にどんちゃん騒ぎをやらかし、熱が下がった今日は一日家で寝ている、という野口式では理想の経過をたどったわけであるが、確かに気分がよい。考えてみれば、熱が出ているからといって動けなくなるわけではないが、熱が下がった後には抗病反応により身体が消耗しているからゆっくり休んで体力を回復すべき、というのは理にかなっているかもしれない。
ともかく今晩もおとなしく寝ていよう。
- 作者: 野口晴哉
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*1:私の友人は新婦で某警備会社勤務、新郎は警視庁巡査部長:いかにも強そうなお二人である