一二

昨日は山梨医大表敬訪問のため長時間ドライブしたので、疲れて早く寝たら夜中に目が覚めてしまう。ザッピングをしていると耳に台湾語。ふと眼をやると画面には北一女の緑の制服を着た李凱莉。CSでやっていたのは映画を見ない私でも一目で楊徳昌とわかるこの作品。

ヤンヤン 夏の想い出 [DVD]

id:jilin君は昔この映画の邦題について

A One and a Twoをどこのバカがどう翻訳したら、『ヤンヤン 夏の想い出』になるのか！

と怒り心頭であったが。

今日は新百合ヶ丘OPA二階の珈琲屋OBにてしばし来年度の予習。

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この場所で、センター試験の準備を進めていたのはもう二年以上前のことである。受験準備といってもそれ自体は決して前向きなものではなかった。比較的得意な生物ばかりやってお茶を濁していたと思う。大したことに取り組んでいたつもりだったのだろうが、遠くから見れば、たいていのことは単純に見える。意味もなく大きなカップに入って出てくる薄ぼけた味の自家焙煎アメリカンコーヒーを一口飲むと、手触りや香りまでもその頃のことが思い出される。これがマドレーヌ体験というやつかしら？違うか。

三寒四温が花粉地獄になりつつある東京近郊のターミナル駅の上には、埃っぽい曇り空がどこまでも広がっている。

人生にやり直しは必要ない*1、とヤンヤンの父NJは言ったのだったが、それは彼が現実に生き現実の中で再生した何よりの証左である。人は帰る場所がないから迷うのではなく、それがありすぎる時迷ってしまうのかもしれない。さらに言えば、いくら他所を彷徨ってみたところで、帰る場所など、自分以外のどこにもないのだった。

改めて考えてみる。当時の私が仮に何かから逃げていたのだとすれば、それはいったい何からだったのであろうか。そして今は？

*1:「できない」ではなく「必要ない」