降板

炎のリリーフ・津田恒実投手

朝8:30に監督と荷物を拾い多摩川沿いのデパートのある町を出発。主役を迎えに行く。10:00主役邸到着。監督がベルを鳴らす。


窓は開いているのに返事がない


合宿不参加=撮影不参加とみなし、

  1. 合宿先への主役の登場を信じる*1
  2. 降板と割り切り、代役を立てて合宿に臨む
  3. 違約金を払ったり頭を下げたりして、企画自体をお蔵入りにする

の3択問題に苦しみつつ新青梅街道を西進。3番にしよう、いや、もったいないよ、1番を信じよう、うむ、早めに2番に向けて動いた方がいいのか、などと暗澹たる気持ちでぼそぼそ話し合いは非常に不健全なので、


Love Shack (B-52's)


を連続再生することに決定。折しも車は国道16号へと左折、横田基地へとさしかかり*2否応なしにファンキーアメリカンな気分は盛り上がり車内は熱狂のるつぼと化す。その勢いで、「みんなと相談して決めよう」という至極まっとうな結論に落ち着き、合流後のスケジュールを変更、八王子で会食をすることに決定*3


会食の場でやけに沢山食べてしまったあと、おもむろに事実を告げるとみな一斉に携帯電話のアドレス帳を検索。代役を捜しているのだ。この時点で2番の線がかなり濃厚になり、ついに本物の歯科技工士に白羽の矢が立つ。この人は出演者の一人の同居人であり、さらにいうならこの映画の主人公のモデルなので、「代役」というよりはむしろ「真打ち」に近いと言えよう。ともあれ、映画はまた違った方向に走り始めた。中途半端なスターシステムを脱ぎ捨てて、映像作品としての勝負を余儀なくされたのである。のぞむところだ。


ともあれ、一同ショックは隠しきれないので合宿一日目の予定は大幅に変更、合宿先のキャンプ場(あきる野市)にて大バーベキュー大会と相成った。そこへ白羽の矢を立てられた技工所長登場、座は一気に盛り上がる。所長に正式に主役リリーフ登板を要請、スケジュール調整を依頼する。心配いりません。経験者が必ず上手なわけではないし、未経験者が何もできないという法はない。


こうして、波乱と爆笑とリッツ*4の合宿は幕を開けたのであった。


Nude on the Moon: The B-52's Anthology (Dig)

Nude on the Moon: The B-52's Anthology (Dig)

*1:他のメンバーとの合流は13:00JR八王子であった

*2:信号待ちの交差点で、16号を横切って多数の車がどんどん基地へと入っていくので、「基地って案外簡単に入れるのね」などと話していたのだが、よく見るとそれらの車は全てYナンバーをつけており、基地の間を貫いて走っている16号を横切って基地内移動をしているだけだった

*3:この時点で合宿参加者は「スケジュールが押すのはおかしい、何かあったに違いない」と気づいていたようだが

*4:衣装・出演のヤマメン氏が差し入れてくれたリッツ大箱(29枚×3袋入)はこの合宿期間を通じての精神的支柱となったのだが、それはまた、明日のお話