湿邪

jcjil2005-06-22

梅雨前線が九州にのっぺりと停滞しているため、本来ならば頭痛がしたり眠気がしたりするところだが、


本日の私、頗る快調


なぜだろう。やはり前もって3日ほど五苓散を飲んでいたのが良かったのか、それとも、飲んでいた五苓散を切らしたので昨日から飲み始めた半夏厚朴湯が効いたのか。


五苓散(ゴレイサン)

出典
傷寒論
組成
猪苓9g 沢瀉15g 白朮9g 茯苓9g 桂枝6g*1
用法
水煎服 散にし一回3〜6gずつ服用しても良い
効能
利水滲湿・通陽化気
主治(1)
蓄水証(頭痛・発熱・口渇が強く水分を欲するあるいは水を飲むとすぐに吐く・尿量減少・舌苔が白・脈が浮など)
主治(2)
霍乱(突然の嘔吐・下痢・尿量減少など)
主治(3)
水湿内停(浮腫あるいは下痢で、尿量減少を伴う)
主治(4)
痰飲(臍下の動悸・水様物の嘔吐・めまいなど)
方意
利水滲湿・通陽化気によって小便を通利し、水湿を除去する主方である。主薬の沢瀉は膀胱に直達して利水滲湿に働き、淡滲の茯苓・猪苓は利水下泄を強め、白朮は健脾により水湿の運化を促進し、共同して三焦を通利させる。辛温の桂枝は、太陽表邪を外解するとともに、通陽により膀胱・三焦の気化を促し、水湿を蒸化して上承と下泄を回復させる。なお、利水滲湿を通じて、水湿下注による泥状〜水様便が消失するとともに小便が通利することから、水湿の「分利」と称される。蓄水証に対しては解表・利水滲湿・通陽化気により、霍乱には水湿の分利により、水湿内停には健脾化湿と分利により、痰飲には化気利水により、それぞれ効果をあらわす。


半夏厚朴湯(ハンゲコウボクトウ)

出典
金匱要略
組成
半夏9g 厚朴9g 茯苓12g 生薑9g 紫蘇葉6g*2
用法
水煎服
効能
行気解欝・降逆化痰
主治
痰気欝結
方意
痰気欝結・宣降失調であるから、行気開欝・降逆化痰する必要がある。化痰散結・降逆和胃の半夏が主薬で、行気解欝・下気除満の厚朴が補助する。紫蘇葉は芳香行気・寛胸舒肝に、茯苓は滲湿に、生薑は和胃止嘔に働いて、半夏・厚朴を補佐する。全体で辛散苦降により化痰散結・行気降逆の効能が得られる。


どちらにせよ、これで中医方剤の頭痛に対する予防効果が明らかになったわけですな。

*1:日本で入手した生薬を日本の軟水で煎じるときは、全てを半量にする

*2:日本で入手した生薬を日本の軟水で煎じるときは、全てを半量にする