八年

我的一九九七」から、そろそろ8年*1


昨夜、高校時代の友人から電話がかかってきた。


「香港と台湾の間って、飛行機飛んでるの?」


いきなり何を聞くかと思えばこれである。全く高校時代の友人というのは遠慮がない。もちろん私も、いきなり高校時代の友人に電話をかけたりメールしたりして、いきなり本題にはいることが多い。全く、高校時代の友人というのは遠慮がないものである*2


友人の話によると、いま飲んでいてそういう話になった、のだそうである。でも、この人はきちんと大学も出ているし、きちんと仕事もしている。新聞だって読んでるはずだ。まさか知らないと言うこともあるまい、と思って、私は一言、


「バカ」


と返した*3。それで電話を切ったわけではなく、

  • 香港−台北間にはきちんと飛行機が飛んでいること
  • 成田から台北を経由して香港に行く航空会社もあること
  • その航空会社はむしろそれを売りにして客を集めていること


などを教えて差し上げた。友はへーといい、私はうむと言って、電話は切れた。


この電話をきっかけに、そういえば返還後の香港の地位について詳しく調べたことはなかったな、と思ったのでちょっと調べてみた。出典は外務省ウェブサイト内香港の中国返還Q&A

香港・台湾関係はどうなりますか

香港・台湾間の返還後の航空問題については双方航空便の相互乗り入れ継続を確認する新協定が96年6月調印され、海運問題についても97年4月から両岸間の貨物船の実質的直航が開始されたことを受け調整が進められた結果、5月の協議で旗の問題等につき合意に達しました。また返還後の香港・台湾間の出入境手続はどうなるのか、中華旅行社等香港における台湾の事実上の代表機関の機能は維持されるのか等については返還後も今のところ従来どおりであり、とりあえず問題は生じていません。
返還直後に行われた董建華SAR*4行政長官と辜振甫台湾海峡交流協会董事長との会談では葉国華・行政長官特別顧問と鄭安国・中華旅行社総経理とが連絡を取り合っていくことが合意されていますので、今後の対台湾事務に関するSAR政府と新華社香港支社との役割分担がどうなるか等も注目されています。
(なお、「双十節」における台湾「国旗」の掲揚については、ポール・イップ行政長官特別顧問は公開の場では掲揚しないことなどについて、SAR政府は当地中華旅行社(実質的な台湾の香港駐在代表)及び親台湾団体との間で合意していると述べています。)


へえ。現状維持なのね。では、そもそも香港と中国はどういう関係なのか。

「一国両制(一国二制度)」とはどういうことですか

一つの国(中国)の中で、二つの制度(社会主義と資本主義)が併存して実施されることをいいます。具体的には、社会主義国である中国がその特別行政区である「香港で社会主義の制度と政策を実施しないこと」(基本法序文)で、「香港特別行政区社会主義の制度と政策を実施せず、従来の資本主義制度と生活様式を保持」(基本法第5条)することです。この状況は「50年間変えない」(基本法第5条)ことになっています。一つの国で社会主義と資本主義という異なる二つの制度が併存するのは、世界でも初めての試みです。


ふむ。なるほど。あと42年なのね。42年後に、何が起こるのだろう。


42年といえば、色々なことを忘れるには十分すぎる年月だわね*5

*1:私の1996香港の印象は「暗い」、そして、2004香港の印象は、「すてき」:返還前の不安はやはり人身をむしばんでいたようであるが、今の栄華もうたかた、ということにならなければよいのだが

*2:それはそれでいいと思っている

*3:高校時代の友人だからである

*4:特別行政区(Special Administrative Region)の略称

*5:そのころ私は72歳、まだ生きているはず