型紙
昨日の記事に対し、そんなものないさんから
「めがねふき用の布でシャツを作ったら価格や着心地はどうなるのか」
とのコメントをいただく。ありがとうございます。どうなるのか、と聞かれて
「どうなるんでしょうね」
でごまかす、という手もあるのだが、今は情報ハイウェイの時代。安アパートの二階にいても調べ物ぐらいならばできる。調べ物バンザイ。ということで、めがねをかけて25年の私が調べてみました。
<めがねふき用の布を探す>
私が普段愛用しているめがねふき用の布はこんなのである。昨日机の上を片付けたので割合早く見つかる。
画面左下をよく見ていただくとわかるが、
Coca-Colaと書いてある。何かのジュースを買った時にペットボトルのキャップの所についていたオマケだ。本当は二枚持っていたのだが、嬉しくて帰省時に母に見せたら一枚取り上げられた。まあそれはそれでよいだろう。
つまり私はタダで手に入れた布でめがねをふいているのですね。みなさんはそのへんどうしているのだろう。Googleで「めがねふき」と調べてみる。
「ちょっといい話」でおなじみ、戸板康二先生の本である。先生の本は大変面白いが、今はその話ではない。これを書き終えたらテスト勉強だってしなければならないのだ。先を急ごう。
<めがねふきといえばアレだ>
わざわざGoogle検索なんかしなくても、私の頭の中ではめがねふきといえばアレ、と決まっている。
東レの「トレシー」。女性には、
従来の泡では落としにくかった毛穴の奥の汚れ。“トレシー”洗顔クロスの“ミクロの泡”なら毛穴の奥まですべりこみ、詰まった皮脂汚れを効果的に除去します。
洗顔クロスとして夙に知られている模様である。めがねもお肌も傷つけたくないものね。それにしても、
細さは1600本を束ねてようやく髪の毛一本に相当するほど!!
だそうで、大変心強い。とくに
ほど!!
のあたりに東レの底力を感じる。すごいぞ東レ、東洋レーヨン。ボート部もあるぞ、東レ。東洋リノリウムは東リです。私は長いことこの二社の区別がつかなかった。パネルクイズアタック25の提供は東リ、地球ZIG ZAGの提供は東レ。いずれも一社提供。
ちなみに地球ZIG ZAGの二代目司会は高嶋政伸とつみきみほ(後に越智静香)、三代目司会は吉田拓郎と高橋リナである。つみきみほ!
私にも青春というものがあるのだ。
<どれにしようかな>
さて、洗顔クロス以外にも、トレシーには様々な種類がある。
- めがねふき用 (24×24cm)
- 「トレシー」(無地)(楽天価格630円)
- めがねふき用 (24×24cm)
- 「トレシー」(プリント柄)(楽天価格840円)
- めがねふき用 (22×22cm)
- 「東京近郊鉄道マップトレシー」(楽天価格630円)
- めがねふき用 (41×41cm)
- 「どこでもトレシー」(楽天価格(楽天価格945円)
- OAふき用 (24×24cm)
- クリーニングクロス「OAトレシー」(楽天価格630円)
- お掃除用 (33×49cm)
- 「トレシー家じゅうキレイ」(楽天価格1050円)
- ガラス磨き用 (32×50cm)
- 「玄人はだし」(楽天価格997円)
- ストラップ (全長17cm)
- 「トレシーストラップ」(楽天価格577円)
だんだんエスカレートしている気がする。四つ目なんか、めがねふき用と書いてあるのに名前が「どこでもトレシー」である。しかも「吸水力に優れた大判サイズ」らしい。非常に頼もしい。どこでもトレシー作った時点でOAふき用「OAトレシー」とお掃除用「トレシー家中キレイ」はいらなかったのではないか。OAならまだわかるが「家中」である。めがねや顔は傷つけたくないが家もやはり自分で建てると傷つけたくないのだろうか。
家を建てるのはやめよう。
この中から、Tシャツ作りに適したものを選ばなければいけない。先は長い。今日はテスト勉強ができるだろうか。とりあえず条件を挙げてみることにする。
- 大きい
- ヘンな柄ものとかはイヤだなあ
- 1平方センチあたりの単価が安い
- 色にはこだわらないことにする(めんどくさいから)
- オールシーズン着るのでできるだけ着心地がいい物にしたい
贅沢は言ってないつもりです。早速大きさランキングを見てみよう。表示は三位までにする。いくらなんでもストラップでTシャツ作るのはイヤだし着るのはもっとイヤです。
〜大きさランキング〜
- 「どこでもトレシー」1681平方センチ
- 「トレシー家中キレイ」1617平方センチ
- 「玄人はだし」1600平方センチ
タッチの差でトレシー家中キレイの勝ち。その差17平方センチは、幅1cmとした時のストラップの面積の二分の一である。以下に僅差かがわかる。どこでもトレシーは余裕の一位ですね。
〜単位面積あたりの単価ランキング〜
- 「どこでもトレシー」0.56円/平方センチ
- 「玄人はだし」0.62円/平方センチ
- 「トレシー家中キレイ」0.65円/平方センチ
玄人はだし、僅差で雪辱。どこでもトレシーは余裕の二連勝である。さすがどこでも、懐が深い。小技も効くし正攻法でも強い、横綱の風格さえ漂わせる。
〜色〜
- 東京近郊鉄道マップ(「東京近郊鉄道マップトレシー」)
- 白(「玄人はだし」)
- ブルー(各種)
何てったって東京近郊鉄道マップトレシーである。
これを一面にちりばめたTシャツを着て歩けば、いつ道に迷っても大丈夫そうだ。道を聞かれた時もすぐに答えられる。「あ、ここからここまでいってですね」とかいいながら、へそのあたりを指さしている自分の姿が目に見えるようだ。しかも、めがねもふける。
素敵だ。
しかしいかんせん、このトレシーは小さい上に単位面積あたりの単価が高すぎる。484平方センチで630円だから1.30円/平方センチもするのですよ。いくらなんでもそんな贅沢はできない。テストは明後日なのだ。
ここは値段・大きさ共に順当な「どこでもトレシー」を選ぶことにする。なにせ「吸水力に優れた大判サイズ」である。着心地だってきっといいはずだ。
<Tシャツってどうやって作るの>
私は子供は好きだが、裁縫は嫌いだ。
どっかに簡単なTシャツの型紙落っこちてないかな、ということで再びGoogleのご厄介に。
型紙を探していて「 型紙いらず!」に行き当たったりするのがインターネット検索の面白いところである。みんなもっとインターネット使えばいいのに。特に同級生のみなさん。便利ですよ。
ページの内容をざっと要約すると、
今回は実際に作るわけではないので、カンタンである必要はない。だって裁縫嫌いだし。むしろかっこよいTシャツの方がいい。件の学祭Tシャツはかっこいいのだ。ただめがねがふけないだけである。
要は、できるだけ少ない布で作れればよい。だってトレシー高いし。この二つのやり方、いったい何平方センチの布が必要なのか。まずは「型紙いらず!」の寸法をだすために手近にあったTシャツを測ってみる。
着丈は64cmだったので、着丈+4=68cm。あとはバストだ。
写真自粛
私のバストは92cm。バスト÷2+30=76cmとなる。つまり68cm×76cmの布が2枚必要、ということだ。「どこでもトレシー」は41×41cmだから、
すげえ中途半端
継ぎ目をできるだけ少なくしようすると、1枚あたり「どこでもトレシー」が4枚、計8枚必要になる。945円×8枚=7560円。
あれ?意外と普通ですね
デザイナーTシャツなんか数千円する物はザラにある。試しにどこかのネットショップを覗いてみよう。
- //www.rakuten.co.jp/jimu/752163/756811/756879/#783553" target="_blank">新品★ブルースウェーバー×ポールスミス犬柄Tシャツ:楽天価格25000円
- //item.rakuten.co.jp/ladder-b/p-1/" target="_blank">ポールスミス半袖Tシャツ ブルースウェーバー(PEACE DOG) 白:楽天価格10499円
- //www.rakuten.co.jp/catenaccio/1797946/1799015/#1361124" target="_blank">Paul Smith ポールスミスレトリバーTシャツ:楽天価格5299円
頭おかしいんじゃねえのか
犬のTシャツである。しかもみんな同じ物(少なくとも私にはそう見える)。それに5299円〜25000円の値段が付く。原価は一体いくらなんだろうか。こちらの原価はどこでもトレシー8枚7560円。私がPaul Smithだったら大変なことになっている。
<気を取り直して>
Tシャツというのは高くても売れるということがわかった。気落ちせず、まだまだ先は長いのでとっとと進めましょう。
ここでざっとおさらい
- めがねふきでTシャツを作ったらどうなるか
- めがねふきはトレシーを使う
- トレシーには沢山種類がある
- 迷った結果「どこでもトレシー」にする
- 理由は安くて大きいから
- 作り方を二つ見つけた
- 一つ目の作り方について検討中
おお、そうだった。検討を続けよう。
めがねをふくところ以外はつぎはぎだらけでもいい、と割り切って考えると、つかう枚数はずいぶん減る。必要な面積は68×76cm×2枚=10336平方センチ、「どこでもトレシー」は一枚1681平方センチだから、6.14枚つまり7枚あれば良い。1枚減ったぞワーイ。倹約の精神である。945円×7枚=6615円。あまった0.86枚は他のTシャツを着ている時にめがねをふくために使おう。
さて、作り方2の「服づくり工房」であるが、こちらは大変助かることに生地の寸法が書いてある。バストを測る手間が省けていい。
155cm巾の生地を140cm使用しました。
生地代1,792円(128円/10cm)
ええと、155cm巾を取るのに4枚、140cm丈を取るのにも4枚だから、合計16枚必要
えっ
16枚?945円×16枚=15120円。生地代1792円って激安ですね。トレシーってそんなに高いのか。さすが高分子。忘れてたけど。
先ほどのつぎはぎオーケー作戦をとってみても、155cm×140cm=21700平方センチ。「型紙いらず!」の優に倍である。型紙を取るだけで必要な生地の量が倍に増えてしまうなんて手芸の世界はなんてミステリアスなんだろう。それとも私が計算を間違えてるだけだろうか。まあいいや本当に作るわけじゃないし。とりあえず計算してみると、21700平方センチ÷1681平方センチ=12.9枚つまり13枚あれば良い。3枚も減ったな。945円×3枚=2835円。もの凄い節約である。ユニクロのTシャツが5〜6枚買えるよ。すごいなユニクロ。13枚使うとすると945円×13枚=12285円。やっぱり高級Tシャツだ。自分がPaul Smithじゃなくてよかった。
<他の方法はないのか>
作る前から(作る気はないけど)頓挫ぎみのこのレポート、やっと結論がでた。つまり
- めがねふきでTシャツを作るとPaul Smithもびっくりのお値段になる
みなさん、これからは高いTシャツ着てるのに裾でめがねをふいている人を見ても、「あらもったいない高いTシャツなのに」などと思わないであげて下さい。めがねふきで作ったTシャツも十分高いです。
ここまで書いてきて気づいたのだが、Tシャツでめがねをふくときって場所が決まっている。
だったら最初からここだけに「東京近郊鉄道マップトレシー」を縫いつけたらよいのではないか。そういうのはどうでしょう、そんなものないさん。